
[ 5/6(火・祝) J2リーグ戦:第12節 広島 vs 仙台 プレビュー ]
昇格を狙うライバルが対決。充実の攻撃陣による激戦に期待
3月を3勝2敗、4月は1勝4分。仙台はここまで、なかなか勝ちきれない試合が続いていた。その要因は得点力。第8節までで7点、2点以上を挙げた試合が一度もなく、追加点を取り、相手を突き放して勝利を握るという安定した戦いができなかった。
ところが、第9節の水戸戦で3得点を記録すると、第10節ではJ2で2番目に少ない失点数を誇っていた好調の鳥栖を相手に、またも3ゴールを奪取して完勝。仙台が本来持っている破壊力が結果となって表れてきた。その原動力となったのが、この2試合で3点をたたき出したFW平瀬。1999年にはU-22日本代表のエースストライカーとしてシドニーオリンピック2000のアジア予選で大活躍、12試合で17得点をマークした。高さもあり、ポストプレーに秀で、経験も豊富な彼と、昨季10得点を挙げた23歳のFW中島との2トップは、J2でも屈指のパワーを誇る。さらに、MFの関口や梁勇基ら能力の高いアタッカーが絡む攻撃は、迫力十分だ。
その仙台をホームの広島ビッグアーチに迎え撃つ首位の広島は、現在3連勝。MF森崎和がボランチとして機能し始めた第10節の徳島戦と前節の山形戦は、相手を意図的に動かしながら主導権を握る広島本来のサッカーを実践している。しかし、心配なのは選手たちの疲労。前節に試合がなく、1週間を広島戦への準備に費やしてきた仙台に対し、広島は中2日。11日間で4試合という連戦だけに、山形戦でもプレーの精度を欠くシーンが目についた。だが、攻撃陣は厚い選手層を誇り、前節で結果を出したFW平繁やMF柏木、さらにFW久保、MF高柳らのタレントが虎視眈々と出場機会を狙う。結果が出ているときはメンバーを動かさないのが勝負の鉄則といわれるが、ペトロヴィッチ監督はコンディションが厳しいと判断すれば、出場に意欲的な選手たちを起用してくる可能性もあるだろう。
J1昇格を狙うライバルの直接対決だけに、互いのプライドと意地を前面に押し出した、白熱した攻防が期待できる。また、広島のFW佐藤、仙台のGK林など、かつて所属したチームとの対決に闘志を燃やす選手たちの活躍にも注目したい。

http://www.sanfrecce.co.jp/community/movie/
【J2:第12節 広島 vs 仙台】プレビュー:休養十分に広島対策を準備してきた仙台に対し、広島は選手層の厚みとサポーターの声援を支えに戦いぬく
----------
J2というリーグを戦う難しさは、単に試合数が多いとか、スケジュールがタイトだとか、そういうことだけではない。奇数チームのリーグ・システム。これも、戦い方を非常に難しくしている。奇数で戦う以上、毎節必ず試合のないチームが出てくるわけで、そのシステムが戦う条件に有利・不利を生んでしまうのだ。
以前、広島のエース・佐藤寿人は、こういうことを言っている。
「いちばんやりやすいのは、1週間に1試合のペースが続くこと。2週間空いてしまうとリズムが崩れる。もし、休みをもらえるのなら、連戦の真ん中で休めるのがいちばんいい」
今節の仙台が、まさにそのパターンだ。第11節は試合がなく、明日の試合まで1週間の準備期間があった。一方の広島は、中2日。休養という部分でも、対仙台への準備という面でも、ほとんど時間がない。
正直、広島にとってこれは厳しい。しかし、森崎和幸は「日程は僕たちが決めることではないし、言い訳にはしたくない」と言い切る。復帰して以降、チームを見事に立て直した「ドクトル・カズ」(ペトロヴィッチ監督)の闘志は、揺るぎない。
だが、連戦の疲労は間違いなく、選手たちを苦しめている。徳島戦(10節)で2得点を奪った森崎浩司は、山形戦(11節)では鉛のように身体が重くなり、精彩を欠いた。高萩洋次郎も山形戦の後半はプレーの精度を欠き、決定的なシーンでミスを犯した。森崎和にしても、2月に左側鼠径部症候群の手術を受け、リハビリを経て4月26日の熊本戦で復帰したばかり。いきなりの厳しい連戦に身体がついていけるかどうか。
一方の仙台は、万全の準備を経て、広島戦に臨む。鳥栖戦(10節)では後半にゴールラッシュを見せて3−0の勝利。チームのムードもあがっており、手倉森誠監督も「今までの試合でもっとも決定機が多くなるだろう。前半にゴールを決めれば、かなりの高い確率で勝点3を得る」と自信を見せている。第8節の愛媛戦までは1点とるのが精一杯だったチームが、水戸戦・鳥栖戦と連続3得点。合計6得点中3点をあげているFW平瀬智行も「また決めたい」と得点への予感を示した。
「広島戦は前からいく」と手倉森監督が言明したことが本音だとすれば、広島はまたも、相手の「ストヤノフ対策」に苦しむことになるだろう。徳島戦では森崎和のカバーリングで対応していたが、それでも前の選手の4枚でプレスをかけられれば、そこをかいくぐるのは容易ではない。疲労は身体の切れだけでなく、判断力の精度も奪うからだ。広島は対甲府戦で相手のプレスをまともに受け、完敗した。仙台もまた、同じ光景を広島ビッグアーチで再現したい。
ただ、広島のチーム状況は、疲労があってもなお、甲府戦(8節)前とは雲泥の差だ。森崎和がアンカーの位置に座ったことで、青山敏弘の運動量が攻守に機能し、佐藤寿人を頂点とする3トップが変幻自在の動きで相手守備陣をかく乱する。それまでは勝ってはいても内容が今ひとつ。主体的にゲームを動かして試合の主導権を握る戦いができていなかったが、徳島戦は4−1で圧勝。山形戦も結果こそ1−0だったものの、内容は相手の広島対策を上回り「勝つべくして勝った」とペトロヴィッチ監督が自信を持って言い切るほど。
「仙台戦はこれまでで最も厳しい試合になる」という森崎和の言葉は、チームの誰もが感じていることだが、一方で「相手はウチに対して何らかの策は講じてくる。それに対して、しっかりと対応して結果を出せばいいだけ」と佐藤寿人が語るように、チームとしての自信も深まった。疲労した選手は多いが、一方で柏木陽介が山形戦で復活の兆しを見せ、平繁龍一は見事な突破で得点を演出している。他にも、久保竜彦や高柳一誠など、タレントには事欠かない。「コンディションを見ながら、フレッシュな選手を起用したい」とペトロヴィッチ監督は選手の入れ替えも示唆しており、控えに甘んじていた選手のモチベーションも高い。
広島と仙台は、2002年にリーグ戦で2度対戦しており、そのどちらも仙台が勝利している。仙台スタジアム(現ユアテックスタジアム)では、広島が2点差を追いついたものの、そこから突き放されて2−4。広島スタジアム(現コカ・コーラウエスト広島総合グランドメインスタジアム)での戦いでは、広島DFのミスに乗じて仙台がVゴール勝ちした。この時の仙台戦での2敗が広島にダメージを与え、その年のJ2落ちにつながっている。
「J1復帰に向けてのライバルの一つ」と開幕前にペトロヴィッチ監督が名前をあげた仙台に対し、6年前のリベンジを果たしたい。同じ轍を踏みたくない。広島サポーターと選手たちの想いは一つ。
「身体はきついけれど、サポーターと一緒になって戦えば勝てる」
森崎和幸は、そう言い切った。
2008.05.05 Reported by 中野和也


【チームの特徴】
ここ2試合で6得点。それまでの得点力不足が嘘のように爆発した攻撃陣。それを引っ張るのは、かつてシドニー五輪予選で大爆発した経験豊富なストライカー平瀬智行だ。184cmと高さがあり、ポストも裏も狙える万能型。彼と運動量が豊富な中島裕希との組み合わせは、パワーバランスもいい。テクニックのある梁勇基や永井篤志、縦への突破スピードがある関口訓充、守備力のある千葉直樹と、MF陣も多士済々。サブにも佐藤由紀彦や中原貴之といった能力の高い選手も控えている。
また、10試合で9失点と守備も安定している。岡山一成・木谷公亮らレギュラーも怪我から復帰、しっかりとした組織をベースとした守備は、安定感に満ちている。
間違いなく、J1復帰を争うライバルといっていい。
5月5日(月)J2第12節の前日コメント
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
Q.中2日の日程ですね?
「疲れているのは当然でしょう。しかし、それでもやるんだと言う気持ちを選手たちは見せてくれていますから。11日で4試合のスケジュールは簡単ではありませんし、仙台戦に向けての練習も今日だけ。しかし、そこでベストを尽くすしかありません。相手のスケジュールの方が優位なことは明白ですが、それもリーグが決めることですからね。我々に言い訳は必要ありません」
Q.先発は決めましたか?
「先発+3人の交代をどう使っていくか、その組み合わせが非常に重要です。フレッシュな選手をどういうタイミングで、どう組み合わせて起用するか。どこで交代のカードを切るか。明日の試合はとりわけ、そこが重要になります。また、相手は背の高い選手が多いですからね。そこもふまえて、起用を考えないといけない」
Q.仙台というチームの印象は?
「コンセプトが明快なチームだと思います。前線には個人技の高い選手もいますし。アグレッシブに戦ってくるでしょうが、それは私たちにとって意外ではない。それよりも、後ろからしっかりとポゼッションして行くには、しっかりと走ること。ボールを持っていない時の走りが現代サッカーのポイントですからね。そして、気持ちの上でしっかりと準備しておくこと。明日は球際の戦いが激しくなりますし、運動量も必要となるでしょう。疲れはあるだろうが、しっかりと頭を働かせてほしい。自分がやるべきことを見失ってはいけません」
Q.仙台の手倉森監督は「前半に先制点を獲れば、高い確率で勝ち点3が獲れる」と自信を見せていますが?
「人間、心に不安があると自分に自信があるように見せたがるものだと思います。まぁ、私は仙台は良いチームだと思いますよ。もちろん、私たちは仙台に勝つという気持ちで戦いに臨みますが、相手の出方にはしっかりと気をつけていかないと。それに、明日戦うのは私たちのホームですからね。そう言えば、分かるでしょう?」

佐藤寿人選手
「仙台とは、ああいう形(J2に降格させ、1年でのJ1復帰を果たすことができなかった)で離れてしまったクラブだし、J2で対戦するのは複雑な想いがします。だけど明日はしっかりと勝たないといけないし、点を獲ってホームのサポーターに勝利を味わってほしいと思っています。
相手の2センターバックは大きいし、高さもあるけど、背後のスペースは空くと思うので、そこを狙いたい。そのためには中盤が勝負。広島のポゼッションの質の高さ、その違いを見せつけたい。
僕がどうって事より、今のウチはどこからでも点が獲れる。中盤からも点が獲れるし、流動的な攻撃ができると思います。自分の中ではイメージもあるし、点を獲って勝つことだけを考えたいです。
コンディションは厳しいけど、ウチには質の高い選手はたくさんいる。誰が出ても、質が下がることはないです。どういう組み合わせになっても、ウチの強さを見せて、相手との差を出していきたいですね。自分のコンディションは、前節で10分休ませてもらったから大丈夫。代わりに出た選手も、しっかりと試合を締めてくれましたし。」
Q.先制点を獲ったらかなりの高い確率で勝ち点3が獲れると相手監督は言ってますが?
「そんなに甘くはない。先制点が獲れるものなら獲ってみろと言いたい。口だけなら何とでも言える。とにかく僕たちは結果を出すことが大切なんです。それに、試合は11人だけで決めることはできませんからね。力の差を見せつけたい」
Q.連戦の最後だから、勝利で終わりたいね?
「疲れていても勝った時は疲れが半減する。確かに今が一番難しいです。自分たちの真の力が試される。仙台のサポーターには、自分の成長した姿を見てもらいたい。そしてゴールで恩返ししたいです」
※寿人選手は2003年と2004年に仙台に所属。03年はJ1リーグ戦30試合出場9得点。
04年はJ2リーグ戦44試合出場20得点。いずれもその年の仙台のリーグ戦最多得点を
マークしている。
寿人選手は05年にJ1リーグ戦32試合出場18得点。06年はJ1リーグ戦33試合出場
18ゴールでいずれもその年のサンフレッチェのリーグ戦最多得点をマーク。
07年は34試合出場12得点。今季はこれまでJ2リーグ戦10試合出場6ゴール。
サンフレッチェでのJ1とJ2リーグ戦通算得点は54で、高木琢也の通算53ゴールを
抜いて歴代2位。ちなみに歴代1は位久保竜彦で68ゴール。
ストヤノフ選手
「相手が高い位置から守備をしようが、何をやってこようが、自分たちのサッカーを貫くのみ。それを続けていけばいい。仙台がどうして来るかなど関係ない。私たちはサンフレッチェなんだ。そして明日はホームゲームなんだ。
他のチームはサンフレッチェに対して、何かやってくるだろう。しかし私たちは自分たちのサッカーを最後までやり抜くだけ。私と、そして仲間たちが集中して全力を尽くすだけ。
J2で1番強いのは我々だということを信じていくだけだ。」

柏木陽介選手
「ドリブラー宣言しようかな(笑。冗談やけど(笑。
外側でボールを受けた時は、どんどん仕掛けていきたい。いずれにしてもハイプレッシャーで来ると思うし、監督はその間で受けろと言うけど、それもやりつつ、外側で受けても面白いと思います。まぁ、1対1はあまり得意じゃないけど、サイドに出たら仕掛けたい。ドリブルでの仕掛けはチャンスになると思うし。あとは、公太さんが上がって来れば、タメを作れば良い。アイディアを持って、しっかりとやりたい。
とにかくチームのためにやりたいですね。試合に出られない時は悔しいけど、でもこの前の試合のように、流れを変えられたら良い。もちろん先発で試合に出られれば、それにこしたことはないけれど。」
高柳一誠選手
「ゴールに絡む仕事をしたいですね。そのためにも球際で負けないように、そしてしっかりとサポートしていきたい。ボランチでもトップ下でも、ポジションはどこでもいい。コンディションはみんなよりも疲れていないと思うし、自分が走ってみんなをサポートしていきたいですね。洋次郎は技術も高いし、やりたいことが分かる時がある。やっていて楽しいで
すね。」
ベガルタ・関口、佐藤寿人との“11番対決”に挑む 2008年05月05日 更新

切れのあるドリブルで攻め上がるMF関口(右)。広島のFW佐藤との勝負を想定した練習に気合十分。(左は)仙台のMF佐藤
寿人さんには負けない! J2ベガルタ仙台のMF関口訓充(22)が4日、6日に対戦するJ2広島の元日本代表FW佐藤寿人(26)を超える活躍を誓った。佐藤とは04年にベガルタでともにプレー。今季から同じ背番号「11」を背負い、初めて敵として戦う佐藤に対して、真っ向から“11番対決”を挑むと意気込んだ。チームはこの日、宮城県サッカー場で練習し、広島戦に備えた。
同じ背番号11を背負う者として、意識しないわけにはいかない。MF関口が広島のFW佐藤の存在を熱っぽく語った。
「ポジションが違うけど結果を残すことが大事。(佐藤)寿人さんに近づけるように、点やアシストで(勝利に)貢献したい」
佐藤は03、04年とベガルタに在籍。背番号11をつけ、04年には20得点を決めるなどしてチームの中心選手として活躍した。一緒にプレーしたのは04年の1年だけだが、関口の脳裏には佐藤の雄姿が強く刻み込まれている。
背番号11はその後外国人選手を経て、今季から関口が背負うことになった。“佐藤さんに追いつけ、追い越せ”。関口は“佐藤超え”を目指しているのだ。
「あの体で大きいDFにも競り勝って、ヘディングを決めていた。プレーの印象ははっきり残っている」
関口がこう振り返った。身長は同じ1メートル70だが、動き出しの速さなどを武器に得点を重ねた佐藤のプレースタイルは、関口の手本。6日の広島戦(広島ビ)は、その佐藤に自分の成長した姿を目の前で見せつける絶好のチャンスだ。
3月に左足かかとを痛め出遅れたものの、4月上旬に炎症を止める注射を打ってから、はれや痛みは軽減した。
4月12日の徳島戦では今季初得点をマーク。3−0快勝した同29日の鳥栖戦でもダメ押しのチーム3点目を決めた。もちろん、首位・広島を打ち破る2戦連発弾を狙う。
「どれだけ通用するか、チャレンジの気持ちを持っていきたい。まずは自分たちのサッカーを貫くことが大事」
関口は首位相手にひるむことなく、サイドからどんどん攻め上がる意気込みだ。広島戦のピッチ上で仙台の背番号11を輝かせ、関口がチームを勝利に導く。(有吉広紀)
★梁もメラネラッ
MF梁勇基も04年に一緒にプレーした広島FW佐藤へのライバル心を口にした。佐藤とは開幕前、「対戦が楽しみだな」と互いにエールを送った仲。この日の練習で鋭いシュートを何本も決めた梁は「(佐藤は)裏への抜け出しはうまい。ボールの出所をつぶせれば」と、中盤で激しくプレッシャーをかけていくと気合を入れた。
英気養い高まる士気 J2仙台、あす首位広島戦 2008年05月05日月曜日

練習で軽快な動きを見せた平瀬(左)ら
J2仙台は6日、広島市の広島広域公園陸上競技場で首位の広島と対戦する。ともに高いボール支配率で試合の主導権をつかむのを特徴とするだけに、中盤の激しい攻防を制して昇格を争うライバルに勝ちたい。
先発は、3―0で快勝した先月29日の鳥栖戦と同じ布陣となりそう。2トップの一角には3戦連続得点を狙う平瀬智行が入る見通しだ。
4日、宮城県利府町の県サッカー場での練習では、広島を想定した攻撃戦術を確認。相手守備を一方のサイドに引きつけ、素早くサイドチェンジしてシュートにつなげる動きを繰り返した。林卓人は体調不良のため大事を取って練習を休んだ。
広島は3連勝中。MF森崎和幸を軸にした細かいパス回しで攻撃を組み立て、佐藤寿人(前仙台)ら前線の選手が確実に決める。ただ、次節までの11日間で4戦もこなすことになり、疲労が蓄積している可能性が高い。前節は試合がなく休養十分の仙台は、序盤から運動量で上回りたい。
手倉森誠監督は「今月の6試合を全勝するつもり。いいスタートを切るためにも白星を挙げたい」と意欲的に話した。

◎サイドからの揺さぶり徹底
仙台は万全の態勢で首位の広島との大一番に挑む。J2では珍しい3バックの布陣を敷く広島対策に抜かりはない。前節は試合がなかったため、選手は十分に英気を養い、細かい戦術の浸透も図れた。手倉森監督は「今までで一番、決定的なシーンが多くなるだろう」と必勝のシナリオを描く。
この1週間の練習は広島戦を強く意識した内容だった。3日の紅白戦では控え組を3バックにして、主力組が対戦。4日も広島の動き方を想定し、サイドチェンジなどで揺さぶる攻撃を確認した。指揮官は練習中、何度も細かい指示を出し、対策の徹底を図った。
「広島戦は前から行く。落ち着いて相手のスペースを突きたい」と手倉森監督。先制点をポイントの一つに挙げ、「前半に先制できれば、かなりの高い確率で勝ち点3が来る」とみる。
前節の試合がなかったことは、追い風になった。4月29日の鳥栖戦で3―0と快勝した余勢を駆り、チームの士気は高まるばかり。一方の広島は仙台戦までの11日間で4戦をこなす過密日程を強いられ、疲れがたまっているはずだ。
「(4戦連続引き分けがあった)4月は試練の月。5月はゴーゴーだ。5月こそ全勝したい」。手倉森監督は選手にこう話し、鼓舞したという。試練を乗り越えた仙台が、広島戦を皮切りに5月反攻へと打って出る。(小沢一成)
<平瀬上り調子「また決めたい」>
平瀬が敵地で3戦連続ゴールを狙う。ここ2戦で3得点と上り調子なだけに、「得点はみんなで奪うものだが、そのことを表現するのはFWの仕事。また決めたい」と意欲を見せる。
いずれもホームで決めたが、敵地でのゴールへの思い入れも強い。鹿島時代の2001年チャンピオンシップ第1戦。敵地で磐田を相手に終了7分前という土壇場で、起死回生の同点ゴールを決めた。相手サポーターが沈黙する場面を今でも鮮明に覚えている。
「(広島戦も)そうなればうれしいね」とにやり。勝利を決めるゴールを奪い、首位を独走して勢いづく広島サポーターを黙らせる決意だ。

【写真説明】「いい試合を続けていきたい」と、ボランチで存在感を見せる森崎和幸=3日・広島ビッグアーチの山形戦(撮影・高橋洋史)
森崎和、際立つ存在感 6日仙台戦 '08/5/5
▽巧みに攻守操る
Jリーグ2部(J2)広島のMF森崎和幸が、安定感を与えている。「左側鼠径(そけい)部症候群」を手術し、復帰した熊本戦(4月26日)から3戦連続先発で出場すると、チームは3連勝。ボランチでゲームをコントロール。3日の山形戦後、ペトロビッチ監督は敬意を込めて「ドクトル(博士)カズ」と呼んだ。
徳島戦(4月29日)は高い位置からプレスをかけられ、山形戦は分厚い守備を敷かれた。どんな戦い方で挑まれても意識は同じ。ここ2試合は青山敏弘と2ボランチを組む。「アオ(青山)は僕の倍走るからサポートする。最終ラインの誰かが攻撃に出たら必ずカバー」。攻め急がず、守りで引きすぎず。絶妙にチーム全体を操っている。
初めての手術で、公式戦に復帰するまで不安もあった。しかし、一度ピッチに立てば、抜群の存在感を見せる。連戦でも「やるしかない。けがから復帰したとか、連戦とか余計なことは考えない」と言う。何連勝しても、勝ち点を何点積み上げようと「J1復帰が決まるまで、毎試合勝つことだけ考える」と、気持ちを張り続ける。連勝中だからこそ、6日に地元である仙台戦を重要視する。「いい試合を続けないと意味がない。流れを止めたくない」。サポーターに「おれたちの誇り」と歌われる大黒柱のエンジンが、全開になってきた。
▽佐藤寿古巣と初対決
FW佐藤寿人にとって、仙台は特別な対戦相手である。2003―04年に在籍。ストライカーとして花が開き、チームの顔でもあった。「やりにくさがないと言ったらうそになる」と明かす。
仙台では03年にJ2へ降格し、04年の1年で昇格できず、05年から広島へ移籍した。「J1で対戦したい」と願い続けてきたが、広島の降格から思わぬ形で初対決が巡ってきた。
今は押しも押されもせぬ広島のエース。「一番大事なのはサンフレッチェが勝ち続けること」とピッチでは複雑な気持ちは封印する。「サンフレッチェのためにゴールを決めたいし、気持ちのこもったプレーを見せる」。それが、古巣への恩返しにもなる。(広重久美子)
ベガルタ6日アウェー広島戦 FW田中が“平瀬になる!”

紅白戦でDFに囲まれながらシュートを打つFW田中(左から2人目)。(左は)DF渡辺(右は)DF細川
苦境を乗り越えた先輩を手本にする−。J2ベガルタ仙台のFW田中康平(22)が3日の紅白戦で主力組に入ってプレー。6日の広島戦(広島ビ)メンバー入りへ意欲をみせた。ここまでけがで出遅れ、今季新加入選手で唯一試合出場なし。だがベンチ外から先発の座をつかんだFW平瀬智行(30)のように、悔しさをバネに定位置取りを狙う。チームはこの日、泉サッカー場で実戦形式の練習を行った。
今季J1鹿島から移籍も、3月上旬に左足底痛で戦線離脱。先月16日に全体練習に合流したばかりの田中に、チャンス到来だ。この日の紅白戦途中から、中原とともに主力組の2トップとしてプレーした。
「コンディションも(痛めた)足も問題ない。準備は常にしている」
紅白戦終了後もFW田中の表情は引き締まったまま。訪れたチャンスを必ずモノにするという決意をにじませていた。
手本は平瀬だ。途中出場した先月26日の水戸戦(ユアスタ)で2得点。初先発した同29日の鳥栖戦(ユアスタ)で先制点を挙げたFW平瀬も、開幕はベンチスタート。コンディション向上のためにサテライトの試合にも出場した。
「平瀬さんにも苦しい時期はあったと思うけど、試合に出て結果を出してスタメンにもなった。誰にでもチャンスはある」
田中が意気込んだ。別メニューでの調整が長く、まだ約3週間しか全体練習を行っていない。実戦も先月20日のサテライト新潟戦(ユアスタ)で21分間プレーしただけだが、自分なりに公式戦出場に向けた準備はしてきた。
試合や練習を凝視し、仲間たちの動きを把握。パスのタイミングなどを頭に入れ、スムーズに連係を取ってきた。鹿島時代も日本代表FW柳沢(現J1京都)ら、質の高い動きを見て盗み、自分のプレーに吸収。見て学ぶ姿勢がここでも生きている。
すぐに平瀬、中島の先発2トップに割って入るのは難しい。まずは試合に出場してこれまで学んできたことを生かし、結果を残してアピールすることが大事だ。
「仙台にきてまだ何もしていない。(試合に)出たい気持ちはどんどんふくらんできたし、絶対に点を決めたい」と、試合に出て勝利に貢献する青写真を描く田中。首位・広島相手に、定位置奪取への第一歩を踏み出したい。
(有吉広紀)
■田中 康平(たなか・こうへい)
1985(昭和60)年12月11日生まれ、北海道出身、22歳。池田中から帯広北高へ進み、04年にJ1鹿島に入団した。05年にJ2山形に期限付き移籍し、翌年鹿島へ復帰。今季J2仙台へ加入した。山形時代の05年9月14日の札幌戦で、プロ初出場初得点をマーク。昨季リーグ戦1試合出場0得点、J1通算3試合出場0得点、J2通算3試合出場1得点。1メートル80、73キロ。ポジションはFW、背番号は「15」。
★磯崎ピリリッ
この日の午後、Jリーグの小竹理事を招いて、危機管理講習会がクラブハウスで行われた。金銭や事故などのトラブルに対する対応などを、設問形式で選手たちに伝え注意を促した。選手会長のDF磯崎は「本当に身近なことで、実際にあり得るような話も出てきた。気をつけないといけない」と意識を新たにしていた。
攻めの連係確認 仙台、6日に広島戦 2008年05月04日日曜日

紅白戦で切れのいい動きを見せた関口(右)
J2第11節の試合が唯一なかった仙台は3日、仙台市泉サッカー場で練習した。中3日での試合が強いられたライバルを横目に、じっくり調整に励んだ。
練習はハーフコートを使ってのミニゲームや紅白戦など戦術の確認が主体。6日に対戦する広島の3バックの守備を見据え、両サイドのスペースをMF関口訓充らスピードのある選手が突く攻撃の連係を繰り返した。
◎関口、存在感/左足首の回復順調「点を取って貢献する」
関口が絶好調だ。今季はここまで全試合に出場し、すでに自己シーズン最多タイの2得点と活躍している。スピードに乗ったドリブルに加え、キックの精度も高く、何度も好機を生み出した。存在感を強める22歳のサイドアタッカーは「点を取って貢献したい」と、一層の飛躍を誓う。
今季初ゴールは第7節の徳島戦。ペナルティーエリアのライン際でパスを受け、右足でゴール左隅に決めた。第10節の鳥栖戦では相手DFがクリアしたこぼれ球をミドルからたたき込み、ダメ押しの3点目を挙げた。
見せ場はゴールだけではない。第9節の水戸戦では絶妙なクロスを挙げ、2点目と3点目を演出した。周囲とうまく連動しつつ、2列目から積極的に飛び出し、得点に絡んでいる。
好調を維持し続けている大きな要因は、宮崎キャンプ中に痛めた左足首が回復してきたことだ。一時は「ぶつかっただけでしびれ、5分くらい足を引きずっていた」と言い、第5節の草津戦では大事を取って先発から外れたほどだった。
「痛いとセカンドボールへの対応で遅れることがある」とも話していたが、炎症止めの注射で治療し、地道に足首の強化などを続けてきた。その結果、今では「多少痛いが、気持ちは楽になった」と笑顔を見せる。
レギュラーに定着した今季、得点への期待は大きい。「梁(勇基)さんには(ゴール数で)負けたくない。核となる選手と張り合っていければ、どんどん上のレベルに進める」。同じ攻撃的MFの主将から刺激を受け、向上心を燃やす。(小沢一成)
<6位転落、気にしない>
試合がなかった仙台は、上位を争うライバルが軒並み勝ったため、前節の2位から6位となった。順位を“下げた”とはいえ、イレブンに気にする様子はなかった。
ベテランの佐藤は「試合数でライバルと横一線にそろっただけ」と涼しい顔。長年の経験でリーグ戦の長丁場の厳しさは知っているだけに、「勝負は最終盤。今の順位はまったく意識していない」と言い切る。
その思いは若手も同じ。開幕からレギュラーを務める田村は「また勝って差を縮めれば問題ない」ときっぱり。中原も「これまで勝ち点を失いすぎた分、勝ち続けるしかない」と巻き返しを誓った。
J2仙台、手倉森監督「5月全勝」宣言 [2008年5月3日12時19分 紙面から]

指示を出す手倉森監督(左から3人目)。左端は双子の弟の浩ヘッドコーチ
快勝劇が指揮官を冗舌にさせた。J2仙台の手倉森誠監督(40)が2日、5月攻勢に転じる進軍ラッパを鳴らした。「ドロー地獄」で1勝4分けと、思うように勝ち点を伸ばせなかった4月。落とした勝ち点を今月中に回収すべく「5月全勝」を宣言した。
3−0で快勝した先月29日の鳥栖戦の余韻が、指揮官を“舌好調”にさせた。3日の第11節は試合がないという余裕も手伝ってか「5月は全勝! 今節はコンディションを整えられるので、広島戦はもう行く(攻める)べきでしょう」と語気を強めた。6日に現在首位の広島とのアウェー戦を控えるが「いい(試合への)入り方をすれば、うちの決定機が多い試合になると思う。5月に4月の悔しさを晴らす。イケイケGOGOです」と勢いは止まらない。
今日広島と戦う山形小林監督と、電話で約束したことがある。「ちょっと前に『(18日の東北)ダービーは1−2位か、2−3位で戦おう』って伸さんと話したんだよ」とニッコリ。それを実現するためにも山形の勝利を願う。「ウチと同じシステムで広島とやるから参考にする。あんなに苦しんでも、仙台が今の順位(2位)にいるのは、ついている。今年、何かが仙台に起こるんですよ」。口も監督室に引き揚げる足取りも、どこまでも軽やかだった。【山崎安昭】
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://matobamirin.blog50.fc2.com/tb.php/378-38f4a3ca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


